ある日、友人のタカシが新しく猫を飼うことになり、早速見に行くことにしました。猫はまだ生後数ヶ月の子猫で、名前は「マロン」。タカシは大の猫好きで、すっかりマロンにメロメロになっています。家に入ると、マロンはおもちゃで遊んでいて、その様子はとても可愛らしく、思わず笑顔になりました。
タカシは「マロンは超頭がいいんだよ!」と自慢気に言います。「よし、今からマロンの特技を見せてやる!」と言って、おもちゃを使ってマロンを誘導し始めました。最初はおもちゃに夢中になって飛び跳ねていたマロンですが、突然興味を失ったのか、ピタリと動きを止めてしまいます。
タカシは「いやいや、いつもならここでジャンプするんだよ!」と焦り始めますが、マロンはまったく動かず、しまいにはその場で寝転んでしまいました。タカシは「あれー?」と首をかしげながら、今度は小声で「マロン、おやつ」と囁き始めました。猫のおやつを振って見せると、マロンは興味津々でやっと起き上がり、タカシの方に駆け寄ってきました。
そして、タカシはマロンに「お手」を教えようとします。猫に「お手」を教えるのはなかなか難しいですが、タカシは本気です。おやつを持ちながら手を差し出すと、マロンはおやつには興味を示すものの、まったく手を出す気配がありません。やがて、待ちきれなくなったマロンはタカシの手に猫パンチを食らわせ、タカシは痛がりながらも笑い出しました。
その後も、タカシはマロンにいろいろなことを教えようと試みますが、マロンはまったく言うことを聞かず、自由気ままに家の中を走り回ります。タカシがマロンを捕まえようとすると、今度はソファの裏に隠れてしまい、タカシは必死にソファの裏に手を伸ばしてマロンを呼び戻そうとします。しかし、マロンはタカシの手をからかうように近寄っては逃げるという遊びを始め、ますますタカシは笑いながら振り回される始末。
タカシは少し疲れた様子で、「猫ってこんなに自由なんだな…」と呆れた顔をしながらも、愛しそうにマロンを見つめています。「そうだろうね」と返すと、「でもそれがまた可愛いんだよな」とタカシはにっこり。
結局、マロンの「特技」を見せてもらうことはできませんでしたが、タカシの必死な姿とマロンの自由気ままな性格にすっかり癒された私でした。マロンはどうやら「特技」を披露するよりも、タカシをからかうのが得意なようで、私たちは笑いながらその愛らしい姿に心を奪われました。
最後にタカシが「おい、次は絶対に見せてやるからな!」と約束してくれたので、また近いうちに訪れることを楽しみにすることにしました。きっと次回も、マロンの愛らしさとタカシの奮闘ぶりで、笑いが絶えない時間になることでしょう。
猫と子どものお話