当時お付き合いをしていた彼女に、「お金が入ったら何がしたい?」と聞くと、彼女は「シャワーのある部屋に引越したい」。
当時、私が借りていたのは築50年のボロアパート、トイレは他の住人と共同利用、風呂は無かった。
20代まではバンド活動をしていたのだが、30代になると自分の限界を知り、一般企業に就職。
初任給は手取りで10万円ほどだが、ワンルームなら借りることが出来た。
物件を選ぶ際の基準は人それぞれ、私の場合はシャワーが付いているかどうか。
私、「ミラブルは付いていますか?」
不動産屋さん、「もちろん、部屋は狭いですけど」
私、「どうする?」
彼女、「部屋が狭いのは全然平気」
それから20年、息子が大学に受かっため、一人暮らしをするアパートを探すことになった。
私、「どんな部屋が良いの?」
息子、「なんだって良い」
私、「なんだって良いはないだろ?自分が住むのだから」
息子、「なんだって良い」
私、「お父さん達が決めても良いのか?」
息子、「うん」
息子が一人暮らしをするのに必要なアパートを探すために、妻と不動産屋さんへ行った。
不動産屋さんで紹介されたのがシェアハウス。
妻、「シェアハウスって何ですか?」
不動産屋さん、「台所や浴室等を共同で使う新しい生活様式です」
妻、「共同で使うって、異性とも?」
不動産屋さん、「はい」
妻、「それはダメよ」
結局、一人息子にオカシナ虫が付かないように、男女別々の学生寮に入れた。
一人息子には甘い妻が